マウスピース(アライナー)矯正の特徴と注意点
広島市佐伯区五日市の歯医者 ハートフル歯科・矯正歯科 院長の柳原です。さて、今回は当院でもお問い合わせの多いマウスピース(アライナー)矯正です。
こちらは最近特に良い意味でも悪い意味でも話題に上る治療方法となります。
かつてのインプラントと同じでメーカー主体だったり、クリニックもブームにのっかっていた背景もあり、万能な治療方法であるかのように広まっており、最近学会などでも歯科医師に向けての注意喚起を行うなど異例の事態となっております。
是非、皆様も正しい知識をお持ちになり、本当に自分にあった方法なのかを見極めていただきたいと存じます。
まず、最近良く報告されるマウスピース矯正による失敗例は…

上記の例では、4年間にわたり治療を行ったにもかかわらず治すことが出来ませんでした。
理由としては上下を別々で動かすマウスピース矯正では、大きく動かすようなケースでは使うべきではないとされています。つまり、別々で動かすために移動が終って咬ませようとすると合わなくなるのは当然です。
矯正の知識と技術があればここからリカバリーすることも可能ですが、そうでなければ矯正専門医への紹介となってしまい、患者さんにとっても非常に悲しい結果となってしまいます。
また、3Dシミュレーションでどんな歯並びでも綺麗に治るように動画が見れたりと患者さんへのアピール度が高いのも、この方法が流行っている理由ですが、これも眉唾で正直そんな風には動きません。また、現状ではなかなか骨の状態等を考慮していないために非現実的な動かし方であることもあり、そのために動かないということもあり得ます。

それ以外にも簡易的な装置が故のワイヤー矯正よりも注意すべきポイントがたくさんあり、簡単なようで難しいのがアライナー矯正治療であると言えるでしょう。
ただし、症例を選んで行えばメリットも大きい治療ではありますので、矯正治療(ワイヤー矯正も含んだ)に十分な知識と技術を有する医院で治療することをお勧めします。
因みに当院でもアライナー矯正は行っているのですが1:9でワイヤー矯正が多いです。
安全で信頼できる方法がワイヤー矯正と言えるかもしれません。
2024年12月12日 11:02