歯科で用いる金属とは
広島市佐伯区五日市の歯医者 歯周治療・矯正治療 ハートフル歯科・矯正歯科 院長柳原です。今回は歯医者で用いる金属についてお話をしていこうと思っています。
まずは保険のかぶせに用いる金属から。。
①金銀パラジウム(金パラ)
古くから使われている歯科用材料です。
技工士さんがかぶせを作るのが容易でチェアーサイドでの調整、研磨も容易であることから広く使われていました。
しかしながら、最近ではその為害性も分かってきています。
耐蝕性が弱く、歯質にどうしても金属が移ってしまうのです。溶けやすい金属(銀など)が含まれているためです。
それがすぐに身体に症状や病気を起こす訳ではありませんが、金属アレルギーや歯質の劣化による歯冠・歯根破折など長期では悪い影響もあることが分かっています。
しかしながら現状、保険を用いたかぶせの治療では認められ広く使われているのが現状です。
当院ではやむを得ず保険適応のブリッジなどでは使用しますが、それ以外では次のチタン冠を用いるようにしています。
➁チタン
生体親和性が高い素材でインプラント体などでも使われています。
しかしながらかぶせを作る際に用いるには高い技術が必要で普及していませんでしたが、最近では市中の技工所で鋳造加工が可能となったために数年前から保険適応されました。
2022年度からは前歯部でも使用が可能となった素材です。
ただし、加工・研磨が難しく①の金パラほどピカピカに磨き上げることが出来ません。また、精度もあまり良くありません。
③コバルトクロム合金
こちらも➁の材料と同じく生体親和性が高い材料です。
ただし、こちらは➁よりも加工が難しく特に細かい鋳造には適していない為にかぶせには使われません。
また機械的にとても強いので主には義歯のバネ(クラスプ)に用いられています。
④NiーTi ニッケルチタン合金 (ナイタイとも呼ぶ)
こちらはいわゆる形状記憶合金です。
しなりやすく曲がるけれども元の形に戻ろうとする性質があります。
その特性を用いて矯正歯科のワイヤーに使われています。
また、しなやかな特性から根の治療(根管治療)のファイルと呼ばれる器具(下図)にも用いられています。
ただし、何度も曲げていると破断しますので長期には使用できません。
上記のような金属が主には歯医者では使われています。
ただし、特に①の金属の為害性が最近になって指摘されたり、また保険の型取りですとどうしても制度が悪くなったりする関係で当院ではかぶせやインレーにはセラミックを推奨しています。
佐伯区五日市で一番愛される歯医者を目指して歯周治療と矯正歯科のハートフル歯科・矯正歯科では24時間web予約も本HPから可能です。
2022年06月02日 17:43